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借地権付建物の「増改築」とは?その定義や承諾料の計算式・相場など まとめ

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

借地上の建物を増改築するには、地主の承諾に加えて通常は承諾料が必要です。

それでは、増改築承諾料の生じる増改築の範囲とは、いったい全体何を指すのでしょうか?

キッチンを新しくしたり、クロスを張り替えたり、床を張り替えたりするだけで地主の承諾や承諾料が必要になるのでしょうか?

または、古いお家をリノベーションしてピカピカにしたり、外壁の塗装やサイディングを張り替えたりするだけで地主の承諾や承諾料が必要になるものなのでしょうか?

リフォームやリノベーションとの言葉が一人歩きし、増築や改築という言葉をあまり耳にしない昨今。

増改築、増築と改築、建替え、リフォームとリノベーションとの線引きがどのようなものなのか?

どこまでの工事が承諾や承諾料になるのかを計算式や相場などを交えて明らかにしていきますよ。

建物のリフォームをしたら承諾料がかかるのか?

【リフォーム(改築)の代表例】

・間取り変更
・床や壁紙の張り替え
・庭の一部に部屋をつくる
・屋根付きのバルコニーをつくる

リフォームは明確に定義されているものではありませんが、家を修繕したり改装したり、増改築したりとかなり広い意味合いを持つことが多いですね。

その言葉のみが勝手に一人歩きしているため、誤解を招く恐れもありますね。

家の外観や設備を変える、間取りや構造自体を変えるなど、工事規模にも幅があります。

家に何らかの変更を加えるものであれば、基本的にリフォームと言っても良いでしょう。

この中に、増改築も含まれるとの説明が適切でしょう。

しかし建築基準法では改築すなわちリフォームのことを以下のように定義づけていますよ。

リフォーム(改築)の定義とは?

改築というのは、既存の建物の構造を変えるほどの規模で行う工事ですが、床面積が変わらないものを指す。

たとえば、リビングと和室が分離されていたものをつないで、大きな一間にするなどの工事ですね。

もしくは、災害などで建物の一部が損壊してしまって、その後以前と同じ形に復元する工事のことも改築と呼びます。

一方で、単に和室の畳をフローリングに張り替える、外壁や屋根の塗り替えをする、クロスを替えるなどの工事は「改装」であって改築ではありません。

改築というのは、あくまでも家の構造に手を付けるくらい大きめの規模の工事に当てはまるというわけですね。

従って、リフォーム(改築)をすると地主の承諾と増改築承諾料はかかるのか?についての答えは、かからないとの答えになります。

しかしリフォーム(改築)の内容や地主の考え方によっては、建物の価値が上がるとの理屈から承諾と承諾料が生じる場合もありますので注意くださいね。

建物のリノベーションをしたら承諾料はかかるのか?

【リノベーションとは?】

●既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること

上記の解説は、インターネット百科事典であるウィキペディアによるものであり、リノベーションの定義は、明確にされておりません。

国が定めた明確な定義が存在しないのですね。

英語でrenovation(リノベーション)は、建物の改修のこと。

明確な定義付けがないにせよ、リノベーションすることで、借地上の建物の価値は高まりますから、リノベーションは地主の承諾と増改築承諾料が必要になる工事と判断することができますね。

建物を増改築すると承諾料はかかるのか?

【増改築の定義】

●平屋を2階建てにする
●同じ敷地内に屋根付きのガレージをつくる
●庭の一部に部屋を設ける
●屋根付きのバルコニーをつくる

増改築については明確に定義されていますよ。

このうち増改築というのは、既存の建物の床面積を大きくさせる工事のことを指します。

二世帯住宅にしたいので、部屋を一つ増やす、平屋建てだった家を二階建てにするなどの例があります。

建築基準法では、同じ敷地であればつながっている住居でなく別棟で行っても増築と見なされることになっているんですね。

たとえば、母屋のすぐ脇に趣味のための離れを作るといった工事も増築となります。

従いまして、増改築は地主の承諾と承諾料が必要になりますね。

増改築の法規制について注意点

既存の建物が狭くなった、家族構成が変わったなどの理由で、家を増改築する必要が出てくることがありますからね。

その際のいくつかの注意点を念のためお伝えします。

地主・借地人云々ではなく、建築基準法からの観点の物事です。

増改築ができる範囲というのは、物理的に法律上で制限されているのですね。

まず、建築基準法で、建ぺい率や容積率という制限があるのです。

建蔽率(けんぺいりつ)

建ぺい率とは、土地の中でどのくらいまで建物で占めることができるかという割合ですね。

たとえば、100平米の土地で建ぺい率が50パーセントと決まっていれば、土地を上空から見たときに、その50平米しか建物に使ってはいけないということですね。

逆に言うと、土地のうち50平米は建物がない空き地、庭、カーポートなどのために取っておかないとダメという意味でもあります。

容積率(ようせきりつ)

容積率というのは、土地に対してどのくらいの割合まで建物の総面積が占めても良いかを示す数値ですね。

たとえば、100平米の土地で容積率が70パーセントと定められているとします。

すると、2階建ての建物であれば、1階と2階の両方の床面積を合わせて70平米としないといけないんですね。

建ぺい率は一階部分の占める割合を示しているのに対して、容積率というのは建物のすべての階を足した総面積なんですね。

地主の承諾や、増改築の承諾料以前に、今の家が狭くなったから増築しようと思っても、建ぺい率や容積率の制限を超えることはできないことを念の為、書き記しておきますね。

なお、増改築をする場合は建設許可を得ないといけないため、この許可を求めるための調査が実施されます。

その際に、こうした基準を無視していることが分かると許可が下りなくなってしまいますのでね。

増改築承諾料の計算をして相場を確かめよう

増改築承諾料の相場は以下計算式が一般的です。

増改築費用×約10%

増改築に500万円かかったとしたら、増改築承諾料は約50万円との計算になりますね。

増改築に1,500万円かかったとしたら、増改築承諾料は約150万円との計算になりますね。

なお、建替えの承諾料も併せて参考にご覧ください。

【木造(非堅固建物)の場合】 更地価格×3%~5%
【鉄筋(堅固建物)の場合】 更地価格×8%~12%

資金計画を立てるに際しお役立てくださいね。

まとめ


今回は、地主へ支払う承諾料の一つである増改築承諾料の定義や相場などについてをお伝えしてまいりました。

法律で借地契約の期間に定めがない場合は、借地上の建物の朽廃(きゅうはい)を理由にした借地権の消滅が認められております。

片一方で借地契約の期間に定めがある契約内容の場合は、建物が朽廃していても、期間が残っている限り借地権は消滅しないものです。

以前にもお伝えした通り、借地人と地主との土地の賃貸借契約の中身は、土地の資産価値と比べて、著しく投資効果の悪い傾向にある、つまりは地主にとって不利益なものが殆どなのですね。

従って地主の本音としては借地権の消滅を望んでいるものなのです。

なお、建物の朽廃とは、建物が極端に老朽化している状態を指します。

朽廃について過去に判例で認められたケースを元に以下にわかりやすくご説明しますね。

朽廃(きゅうはい)

●建物がいつ倒壊・崩壊するかわからないほど危険な状態
●少しのリフォームではまかなえないほどに建物が極端に老朽化している状態
●取り壊して新築したほうが安く上がる状態※地震や火事による朽廃は、借地権の消滅事由にはなりません
※借地契約の期間により、法律上、建物の朽廃を理由にした解除や解約の申し入れ通知が不要であっても、実務上は、底地人・借地人とでの話し合いが通常

従って、増改築承諾料は、貸主である地主の利益を補填するための金銭との性格があるのですね。

借地上の建物を増改築すると建物の資産価値が上がる、すなわち、地主の利益が失われることと解くことができます。

借地人にとっては興味のないお話だったかもわかりませんが、揉めるのは心労がありますからね、どこからどこまでの工事が、増改築に該当するのか?

どこからどこまでの工事に承諾料が生じるのか?

また、相場を事前に把握することで、当コンテンツが少しは揉めないアシストにはなるでしょう。

揉めずに家を増改築して心地良い住空間を得ることには意義がありますからね。

参考にして頂けると幸いです。

この度も最後までお読みいただき有難うございました。

 

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