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土地境界トラブルの相談前に「筆界」と「所有権界」、「借地権界」を学ぼう

この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。

「隣の人からブロックが越境していると言われた」「建物を解体したら排水管が隣地に越境していた」

「屋根が越境している」

「隣人と境界の場所で揉めている」

etc・・・

この様に境界にかかわるトラブルは多く存在していますね。

後述しますが、境界に問題のある土地では、安く買い叩かれてしまうリスクが満載です。

境界トラブルにより、土地が曰く付きになるケースは少なくありません。

今回は、どうして実際に境界トラブルという物事が起きてしまっているのか?

こちらについてを検証していきます。

不動産資産を守りたい方は必ずお読みください。

境界は不動産というあなたの資産を守ってくれますから。

土地の境界(きょうかい・けいかい)とは?

先ずはじめに土地の境界とは何を指すのでしょうか?

とっても簡単に言うと、土地と土地との接する線・場所ということになります。

それぞれの土地区画には所有者がいて、それぞれの権利を主張することになります。

土地の境界は「筆界(ひっかい)」と「所有権界(しょゆうけんかい)」の2つに大別されていますよ。

筆界(ひっかい)とは?

底地犬・借地犬
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「筆界」について不動産登記法 第123条第1号だよ
筆界
表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。

まず「筆界」と呼ばれる境界の定義を簡単に言うと、これは、土地の区画を分けるための線のことで、登記によって定められている境界のことを指します。

不動産登記法では連続する土地を区分して1つの区画をつくり、それぞれに地番という番号をつけていますよね。

明治時代に地租改正が行われ、公簿や公図ができて地番という土地番号が公示されました。

従って法務局で扱う境界は全て筆界となります。

そのため筆界は、「公法上の境界」、「公的境界」とも一般的には呼ばれでいますね。

しっかりと法的に有効な登記によって明文化されているものですので、より権威があり、最も権利の主張という面では分かりやすいものですね。

この筆界の場合は、分筆をしたり合筆をしたりと法務局において手続きをして、登記の内容そのものを変える以外に変更の仕方はありません。

所有権界(しょゆうけんかい)とは?

底地犬・借地犬
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境界には「所有権界」と呼ばれる境界の定義もあるよ

これは「私法上の境界」や「私的境界」と呼ばれることも多く、所有権者同士で契約したりすることによって、自由に変更して決められる境界のことです。

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同じ区画の中で、一部を売却したり贈与したりする時に、所有権界が変更されることがありますね。

また、筆界としての区画の線引きが複雑で、土地の活用に不便が生じる場合、隣接する所有権者同士で融通し合って、使いやすいように変更することもあります。

こうしたケースでは、登記にある筆界と自分たちで合意して決めた所有権界のラインが異なるとの問題も出てくるというわけですね。

その所有権界を明確なものとするためには、当然それぞれの土地の境界を定めてはっきりとさせる必要がありますね。

今となっては、所有権界の変更を筆界として公に登記することが一般的ですから、トラブルは少ないものですが、昔は所有権界をわざわざ登記し直すという物事が少なかったのです。

だからこそ土地の境界についてはトラブルになることが多く、面倒な紛争へと発展してしまうことも少なくないのです。

借地権界(しゃくちけんかい)とは?

底地犬・借地犬
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借地権は一筆の土地の上に複数存在することが多いものだよね

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この場合には、各々の借地人の使用範囲が境界線となります。

この借地権界は、公法上の境界ではない、つまり筆界ではないことが殆どです。

借地権界は、借地と借地との境に公法上の境界ではない境界標を入れたり、図上点といって図面上で使用範囲を示すとか、木や石を置いて境界を表したり、赤や黄色のペンで印をつけるなど様々方法で明示します。

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地主と借地人との間では、上図の様な借地権界を明示した土地図面を共有していることが多いですね。

また、借地権界の線にブロック塀などを設置して、それぞれの借地権界を明確にしているケースが多いですね。

境界標を実際に探してみよう!

底地犬・借地犬
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境界標の種類は主に6種類だよ
・コンクリート杭
・金属プレート
・金属鋲
・石杭
・プラスチック杭
・木杭

境界が不明な理由とは?

「災害によって境界が分からくなってしまった」

災害が多い地域では十分起こりえることです。

境界を分けていた土地の形状や塀などが壊れたり流れたりして、ラインを見るのが難しくなるからです。

元々は境界標が打たれていて、はっきりと境界が分かっていたのに、境界標が流れてしまったことで境界標の場所が不明というということもあります。

「建設工事中に破損、移動、撤去される」

最も多いパターンですね。

建設工事中に境界標が破損してしまったり、移動や撤去されてしまったりしたケースです。

これは何らかの建設作業を行っている時に頻繁に起こってしまう物事です。

たとえば、下水道工事やブロック塀の設置、道路の舗装工事、建物の解体工事などです。

こうした工事では重機が入ることが多いため、つい重機で境界標を破損してしまうことも多いのですね。

普通境界標は頑丈な材質でできていますし、しっかりと地面に打ち込んで移動しないように設置するものなのですが、時間の経過と共に、動いてしまったり、境界標そのものが破損してしまったりすることも多々ありえますよね。

特に、盛り土をすることで見えなくなってしまう、道路工事の際に破損してしまう、車に踏まれて欠けてしまうなどの原因もあります。

土を1m掘ってみたら境界標が埋まっていたなんてはざらですね。

「筆界と所有権界が異なる」

実際に現在専有している境界つまり所有権界と、登記上の境界つまり筆界が異なる場合が考えられます。

少し上述した通り、明治時代の地租改正事業によってお隣の方と境界を勝手に変えることが出来ない線形が生まれました。

一つの土地の外周を筆界と言います。

繰り返しますが、法務局で扱う境界は全て筆界です。

当事者同士で契約して明確に合意しているのであれば、筆界と異なる所有権界も法的には有効となります。

しかし、境界の変更を二者で合意したものの、明確に契約文書という形で残していなかったり、私法上の境界つまり所有権界を公的に登記していないことがトラブルの元凶といえますね。

その当事者が両方その土地にいる状態であればさほど大きなトラブルとならないですが、どちらかが亡くなってしまったり、土地を貸したり売却したりすると、当事者がいなくなり、境界が不明確になってしまう。

文書にするには、土地家屋調査士や行政書士などの関与が勧められることもあって、なかなか手間と費用をかけてまで文書化するのは面倒だと思ってしまうことが多かったんでしょう。

通常では、当事者同士がそれに納得していれば問題はないのですが、土地を貸したり売ったりした場合、特に相続したケースなどでは、次の所有者や借地権者が異議を申し立ててくることが往々にしてあるのですね。

登記上は境界がもっと広いではないかというクレームを出してくるというわけですね。

所有権界はあくまでも合意上だけの境界線ですので、後々再び同じようなトラブルになる可能性も高いです。

「隣人の悪意」

レアケースではありますが、隣人が悪意を持って故意に移動することも考えられますね。

もちろん、これは犯罪行為です。

境界標を損壊させたり、勝手に移動したり撤去してしまうと刑法により処罰されますのでご注意くださいね。

底地犬・借地犬
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「刑法」第262条の2だよ
境界破損
境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又は、その他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

そもそも土地の境界というのは明確に分けられていないことも多く、所有権や借地権を主張する関係者同士でもめてしまいがちですね。

境界トラブルのリスクを把握しよう

土地の境界が不明確になっていると様々な恐ろしいリスクが出てきちゃいますよ。

「不動産の価値が激減する」

そりゃあそうです。

だって土地の境界が不明瞭なんですもん。

境界が確定していないことを隠れた瑕疵として認めた裁判例は幾つもあります。

売買の目的物、つまり境界の曖昧な不動産は法律的瑕疵があると見なされてしまうのです。

境界がはっきりしていないと取引には大きなリスクが及んでしまうのです。

例えば、相場よりも俄然低い価格でしか売れない、不動産を担保にローンを組むこともできないから安く買い叩かれる。

「建設プランに影響が出る」

新たに建物を建てる場合や塀を建てる場合、借地として第三者に貸す場合のリスクが高くなります。

塀は土地の境界を分かりやすい形で示す建造物ですが、塀を建てる場所を巡って隣人ともめてしまうことは十分あり得ることですね。

また、建物を建てる場合にも、境界が不明確だと建設プランに影響が出てきてしまいます。

たとえば、建物の建ぺい率や容積率は土地に対して決められている数値ですので、土地面積が変われば建物の床面積も変わってきます。

境界がはっきりしていないと、土地の面積も正確に出ませんので、建物の床面積も確実に定められなくなります。

建ぺい率ギリギリで設計して、後から境界が間違っていたことが分かり、土地の実面積が狭くなってしまえば、建設許可が下りないという事態になりかねません。

「賃貸借契約が無効になる可能性」

借地権を設定する際もリスクとなりますね。

賃貸借契約書を交わす時には土地の境界や面積などを明記しますが、それが間違っていると、本来貸すことができない土地まで契約に含まれてしまうこともありえますね。

当然、こうした状況では契約自体が無効となってしまいますので、契約をやり直す必要が出てきます。

もちろん、土地の貸借だけでなく売却をする時でも一緒です。

土地を貸借した場合、契約をした後に境界線がおかしいのではないかと気づくと、建物や塀などを建てる時にトラブルが生じるリスクがあります。

もし、賃貸借契約で定めた土地面積や境界などに間違いがあれば、そもそも契約が無効となってしまう可能性もありますよね。

境界標を設置しよう!

こうしたリスクを避けるためには、境界標を設置するのが一番ですね。

境界標はコンクリートやプラスチックなどの杭で、上部に十字の模様が入っています。

これは、土地の境界の四隅もしくは端に打つもので、そこまでが所有権の及ぶ範囲であることを示しています。

境界標があることによって、誰からも分かるような仕方で境界を明示できるというわけですね。

そのためにも、境界標を設置する場合には、土地家屋調査士に依頼して、専門的な法律判断の下でしっかりと境界を明らかにして行うことが肝心です。

もちろん、土地家屋調査士は、その倫理規定に則ったプロフェッショナルですから、境界標の設置時に写真を撮る、隣接する土地の所有者に一緒にいてもらうなどして、疑いが生じないような配慮し、リスクを無くしてくれます。

また、境界標を設置しただけで安心しないようにしましょうね。

境界標がなくなると、境界そのものがあやふやになってトラブルを引き起こすリスクが高まりますから。

そのため、毎年しっかりと境界標の状態が良好かどうかをチェックするのは大事ですね。

土地の契約日に合わせて境界標をチェックして回るなど、自分なりのルールを設けて、定期的な確認の習慣を付けるといいですね。

工事による境界標の破損トラブルを避けるためには?

境界付近での工事がなされることになったら、工事関係者と所有者の間でしっかりと打ち合わせをすることが大事ですね。

工事ではどのあたりの土地を掘るのか、重機が入るのかどうかなどを確認します。

その上で、事前に実際に現場に入る人と所有者を交えて、境界標の位置を確認します。

その上で、そこにカラースプレーなどで目立つ印を付けることができます。可能なら、現場で使う設計図などに注意書きを入れてもらうようにします。

すでに破損してしまった、何らかの原因で撤去されてしまったという場合は、元の位置に復元する必要があります。

境界標の復元には費用がかかりますから、責任の所在を明らかにするためにも、必ず隣接する土地の所有者を交えたチェックをすべきですね。

筆界と所有権界が異なる場合のポイントとは?


所有権界が現状のように定められた経緯を明らかにすることが第一です。

もし、お互いの合意事項を示す文書があるようであれば、それを見せるようにするのがベストですね。

また、所有権界上にブロック塀の境界標などの印となるものを作っていて、それが多年にわたってその状態であれば、一つの証拠として示すのも一つの手です。

しかし合意文書もない、所有権界上に造作したブロック塀などもない場合は、注意が必要になります。

理由は、当人同士の合意のみで所有権界を変更した場合、登記の内容とは違いが出てきてしまいますから、どちらを採るかという点で問題が起きがちになってしまうというわけなんです。

そうなると、どちらの線引きを採るべきかという点でトラブルになってしまう率が上がるというわけなんです。

また、所有権界を合意のうちに取り決めたものの、その契約をした当事者がすでに亡くなっている、土地の売買によって違う人が借地権を持っているなどの理由で詳細が分からなくなっているケースも多いです。

そうなると、筆界とは異なる所有権界が設定されているであろうということは分かりますが、どこで線引きがなされているのかの判断が付かなくなってしまうという問題が起こります。

当然、この状況では所有者同士でもめてしまう危険性が高まりますよね。

こうなると、当事者に何ら非がないとしても、境界が不明確になってしまうのです。

そのため、いったんお互いに境界について合意することができたら、境界確定手続きをして、土地の面積に変化が生じるようであれば、分合筆によって登記を現状に合わせて変えることがベストですね。

もっとも、こうした手続きには手間もお金もかかるものですので、簡単にはできないかもしれません。

このような場合には、少なくても現状の所有権界についてお互いに文書を交わして、トラブルとならないようにしておくことも可能です。

こうしたトラブルを避けるためにも、契約をする前にしっかりと土地の境界については実地調査と登記上の確認をして、トラブルになりそうな要因がないかを確かめることが大事ですね。

まとめ

境界を巡るトラブルは、その原因によって、いろいろなケースが考えられることがわかりました。

その中でも、頻度が多い事例を取り上げて理解を深めるようにすることが賢明ですね。

上述はしませんでしたが境界をめぐる珍事件も実は多いものです。

例えば、外構工事業者が境界を間違えて、誤った境界線にブロック塀などを積んだことが誰にも気が付かれず10年も20年も時が過ぎていくとか。

これ結構多いんですよ。

不動産を売却したいと動き出すシーンにおいて発覚するケースが殆どです。

しかし、この様な珍事件も、時効取得だなんだ言われて面倒になることも否めません。

そうならないためにも、境界標については常に目を光らせて頂きたく考えます。

最後に土地家屋調査士さんの間で有名な名言をお届けいたします。

「杭は残して悔い残さず」

今一度ご自宅などの境界標をチェックしてませんか?

境界標はあなたの不動産資産を確実に守ってくれます。

今回も最後までお読みいただき有難うございました。

 

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