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所有権より安くより良い「定期借地権」とは?を解説しちゃうよ

1992年(平成4年)の8月に定期借地権制度が誕生し、翌年には大阪府内にて定期借地権付き住宅(戸建て)が1号案件として販売されました。

当時は安い価格で広い住宅に住めるとの一般的な評価でした。

相場は所有権付きの一般的な住宅と比べて約6割、敷地面積は約1.5倍。

最も魅力的な点は、なんといっても所有権付きの不動産と比べて価格の安い点に尽きますが、定期借地権付きの不動産(マンションや戸建)は、なぜ所有権付きの不動産よりも価格が安いのか?

その分、そこで暮らすファミリーや投資家にとってどの様なメリットが存在するのか?

また取引額が低価な分、どんなデメリットのある不動産なのか?

大切な家族との生活に欠かせないライフプランや投資対象としての効率を学ぶためにも、きちんとこの権利についての理解を深めておくことは大事ですね。

当記事を読めば、定期借地権付き不動産を購入するべきか?

それとも避けるべきか?

などの正しい判断材料を得ることが出来るでしょう。

 

そもそも定期借地権とは?

まず簡単に「普通借地権」を解説

定期借地権について理解するためには、まず普通借地権について知っておくと便利です。

この借地権は、大きく分けると二つの権利に分かれます。

どちらの借地権も、特定の土地を一定期間賃借するという契約を結んだ場合に生じる権利のことですね。

そのうちの普通借地権というのは、賃借の契約期間が過ぎた時に更新ができるという大きな特徴を持っているのですね。

そして、初めての更新では20年以上の契約期間を持って更新をすることができます。

更新2回目以降の場合は、10年以上の契約期間を設定して更新ができます。

そして、この普通借地権では、更新するということが前提して設定されているため、地主側に正当な理由がなければ、借地権者が申請した更新を拒絶できないことになっているのですね。

つまり、借地権者が返還してくれない限りは、半永久的に土地を貸し続ける可能性が出てくるということです。

もちろん、建物が老朽化などで朽廃(きゅうはい)した場合には解約などの措置を取れることもありますが、権利そのものの考えで言うと、土地の返還が難しい内容です。

そして、正当な解約の理由がなければ、かなりの額の立退料を支払って立ち退いてもらわないといけないのです。

このように普通借地権は、借地人に有利で地主にとっては扱いづらい借地権の種類となりますね。

この普通借地権だけだと、地主はなかなか土地を貸すことができなくなってしまいますよね。

そこで、定期借地権という異なる種類の借地権が設けらるに至りました。

まず簡単に「定期借地権」を解説

この定期借地権の大きな特徴は、契約で定めた期間が終了したら更新なしで土地を返還しないといけないというものです。

そして、土地を返還する時には、借地上の建物を解体し更地にすることが求められています。

もちろん、更新なしで返還することが前提となっていますので、立退料を支払う必要はありません。

このように、普通借地権に比べると地主にメリットが生じる権利の種類で、契約期間が終われば土地が返ってくるという保証がありますので、安心して貸せますね。

こうしたことから、定期借地権を使って不動産投資をするオーナーが増えています。

 

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定期借地権の中にも、いくつかの細かなタイプが存在する

底地犬・借地犬
底地犬・借地犬
それは、「一般借地権」、「建物譲渡特約付き借地権」そして「事業用定期借地権」の3つだよ。
一般定期借地権事業用定期借地権建物譲渡特約付借地権
10年未満×××
10~30年未満××
30~50年未満×
50年以上×
更新有無更新なし更新なし更新なし
利用目的制限なし事業用(居住用途以外)制限なし
契約方法公正証書による書面等公正証書に限定制限なし
建物買取請求権なしなしあり
終了時更地で返却更地で返却建物付で契約
×:契約は認められない 〇:契約できる

※他に一時使用目的の借地権(仮設事務所、臨時設備設置などの一時使用)も同じく1992年(平成4年)の8月に新たに施行されました

【一般定期借地権】

一般定期借地権とは、定期借地権の標準的な権利で存続期間は50年以上となっています。

一般住宅用でも事業用でもよく、特に土地の用途は限定されません。

契約期間が満了したら自動的に借地関係も終了します。

契約の中に、契約の更新をしない、建物買取請求権を使わないといった特約を設けることができます。

地主にとっても有利な権利であるため、少なくとも住宅用の借地であれば、この一般定期借地権が利用されることが多いです。

【事業用定期借地権】

事業用定期借地権は、その名の通り事業用建物としての用途で賃借する土地に適用されます。

そのため、一般の居住用としては使えない権利ですね。

存続期間に関しても柔軟に定めることが出来る点も地主にとっては有難い制度と言えるでしょう。

しかしビジネス用ということもあって、契約を発効させるに当たっては必ず公正証書を作らなければなりません。

権利の内容としては、ほぼ一般定期借地権と同じで、契約期間が過ぎても更新をしない、建物買取請求権を使わないなどの特約を入れることができますね。

契約期間が終了したら土地を返還することになりますが、その時には特約にない限り借地人は更地にして返却する必要があります。

これらの3つの中では、収益性が高いことやビジネス用途で利用される土地が多いということもあって、事業用定期借地権が最も多く利用されていますね。

国土交通省 土地・建設産業局 不動産市場整備課が公表している以下が大変参考になりますよ。

クリックで拡大

【建物譲渡特約付き定期借地権】

建物譲渡特約付き定期借地権とは、契約が終了して土地を返還する時、借地上に建っている建物を譲渡、つまり地主が買い取るという権利ですね。

30年以上の権利存続期間があって、特に書面化しなくても契約は発効します。

建物の所有権は契約終了時に譲渡することによって、借地権者から底地権者に移って、土地と建物に関するすべての権利が移動することになりますね。

基本的には契約期間が終了して建物を譲渡したら契約も終了となるのですが、双方が望めばそのまま借地権者がそのまま建物を利用し続けられます。

ただし、同じ契約内容ではなく、今度は借家という契約になりますので注意が必要ですね。

この建物譲渡特約付き定期借地権は、契約期間が終了したら土地の返還をしてもらうと共に、地主が建物を買い取らなくてはならない契約です。

劣化した建物を買い取っても、資産価値としてはほとんどないことが多いので、あまり地主にはメリットがないとも言えます。

そのため、倉庫や工場などの特殊な建物や、建物自体が大きな価値を持つものでこの権利が使われるくらいで、上のグラフの通り全体としてはかなり少ないですね。

定期借地権付きの物件を買う人の3つのメリットとは?

購入メリット①「購入費用が安い」

所有権や普通借地権ではなく、定期借地権付きの住宅やマンションを買うことには、いくつかのメリットがあります。

まず一番は圧倒的な価格の安さでしょう。

定期借地権では土地を買うわけではないので、当然、土地の購入費用はゼロですしね。

普通借地権よりも安くなることが多いので、一般的な取引相場よりもコストを下げて購入できます。

購入メリット②「立地の良いエリアに多い」

定期借地権付き物件は立地の良いエリアに多いというのも、メリットの一つと言えます。

好立地に物件を持つオーナーは、普通借地権で契約を結んでいつ土地が返ってくるか分からなくなるという問題を避けたいと考えるものです。

そのため、契約期間が満了すれば確実に土地が返却される定期借地権で契約をする傾向が強いのですね。

つまり、定期借地権付き物件は好立地であることの証とも言うことができますね。

しかも、良い立地なのに割安で借りられるため、お得な物件取得ができるわけです。

購入メリット③「税金の負担が少ない」

3つ目のメリットとしては、税金の負担が少なくなるという点ですね。

土地の固定資産税は所有権者が支払うものですので、借地人は納税義務がありません。

もちろん、建物という不動産については固定資産税がかかりますが、土地分がないだけ安くなりますね。

また、都市計画税の支払いも不要となりますので、税金の支払いという面ではぐっと負担が減るわけです。

賃料を支払うことにはなりますが、全体としてみるとランニングコストを抑えるために役立ちます。

定期借地権付き物件を買う人のデメリットとは?

購入デメリット①「ずっとそこには住めない」

定期借地権付き物件には、デメリットも存在するので事前にしっかりと検討しなくてはなりません。

まず、契約期間が終了したら土地を返却しなければならないので、ずっとそこには住めないという点がありますね。

定期借地権は更新という考えがないので、契約満了時に自動的に契約は終わります。

契約を再度締結するという方法はありますが、地主の合意が必要なので不確かです。

しかも、土地を返還する際には、建物を解体して更地にしておく必要があります。

譲渡特約付きの契約を結ばない限りは、更地での返還は定期借地権の前提条件となっていますので、そのための費用について見込んでおくべきですね。

購入デメリット②「売却し辛い」

2つ目のデメリットは、物件売却がしづらいということです。

事実、定期借地権付きマンションが値上がりしたケースは多々ありますが、基本的には売却が困難との認識をもつことが無難です。

そもそも定期借地権付き物件は、第三者への売却が難しいわけですね。

しかも、年数が経って契約期間が短くなると、当然その土地と建物を利用できる年数が短くなるわけですから、それを購入しようと思う人は少なくなります。

権利の残存期間が少なくなると、より売却が厳しくなりますし、できたとしても相場よりも割安になる可能性が高いですね。

定期借地権付き物件が向いている人

底地犬・借地犬
底地犬・借地犬
上記のようなメリット、デメリットを見ると、定期借地権付き物件には向いている人とそうでない人がいるよ。

①『遺産の扱いを楽にしたい人』

このタイプが向いている人としては、まず不動産を子どもに相続させる気がないとか、子どもがいない人が挙げられますね。

50年程度の定期借地権付きの物件であれば、自分の代で住み続けるのにはちょうど良く、契約期間が終われば切りよく物件を処分できます。

遺産の扱いも楽になりますし、無駄なく家に住めるというわけですね。

②『都心部などの立地の良いエリアに住みたい人』

また、都心部など立地の良いエリアに住みたいという人にも向いています。

前述の通り、立地が良いところほど定期借地権付きの物件が多い傾向にあります。

しかも、相場よりも安いコストで契約を結べますので、お得に良い場所に住めることになりますね。

将来的に田舎に帰って住みたいと思っていて、それまでは便利な都心部のマンションで生活したいというケースでは、定期借地権付きの物件はとても条件の優れた内容となります。

③『不動産投資家』


間違いないでしょう。

利用権に期間が設けられているにせよ、好立地の不動産を安価で購入することが出来て、それを投資に回すことができれば、どれ位の投資利回りが得られるでしょうか?

しかし定期借地権付きマンションによっては、購入条件に居住条件を年数として付するケースや法人での購入を認めないケースもありますのでこの点はアンテナを張っておくと良いでしょう。

なお、過去に分譲された定期借地権付きマンションは、都会のど真ん中に建設されたケースが多いものです。

渋谷区役所の敷地内にも期間70年の定期借地権マンションが建設されましたし、最高倍率378倍をたたき出した「シティタワー品川」は品川駅から徒歩圏内の立地、都営住宅跡地で地主は東京都ですよね。

また、神社であったら、新宿区神楽坂にある赤城神社。

同じく新宿区内であったら西新宿にある成子天神社、こちらは敷地内にタワーマンションが建設、販売されましたよね。

原宿であったら東郷神社、こちらも敷地内に巨大なマンションが建設、販売されました。

定期借地権付きマンションは、超激安マンションとかってうたわれることが多いですが、好立地の物件を激安価格で購入出来たら、それは投資利回りも高く取れるとの簡単な理屈が成立しますからね。

④『自己資金の少ない人』

初期費用がかなり抑えられますので、自己資金が限られている人にも向いています。

20代、30代の人が賃貸ではなく家を購入したいのであれば、定期借地権付きの物件はとても便利ですね。

物件によっては、居住期間全体で比較すると賃貸住宅に住むよりも安くなることもあります。

若い世代だと、将来的に落ち着いてから所有権という形で土地付きの住宅を購入する可能性もありますので、それまではコストを抑えられて、処分がしやすい定期借地権付きの物件はメリットが大きいですね。

しかも、一つ前で説明しているように、都心部で便利な地域に物件を見つけられることが多いので、自動車を持たずに生活してガソリン代や車の維持費を抑えられ、トータルで見ると便利な生活を送れるものの、支出はそれほど高くならずに済むというメリットを得られることもあります。

上手にこうした定期借地権付きの物件ならではの特徴を生かして、住宅選びをしたいものですね。

まとめ


いかがでしたでしょうか。

事業用としての定期借地権の利用は着実に数が増えてきています。

なお、マンションについても、所有権付き(敷地権)マンションと比べると、そりゃぁ供給数は少ないものの安定的な数を保つことが出来ています。

土地の有効活用・投資対象としての定期借地権は優良と考えられますから、今後も定期借地権を利用する地主や不動産投資家が増えていったら良いなと思っています。

定期借地権をさらに普及していくためには、「期間で満了する利用権」との一般的に言われている定期借地権のデメリットを補なえるほどのメリット(価格の安さ、立地等)を時代の変化とともに、どの様に訴求していくのかが鍵になると考えています。

不動産を資産と考えて次世代に残すとの不動産神話が、都心部は別として既に崩壊しつつあるとも言われている昨今、定期借地権付きの不動産を安く購入し一世代のみの利用とする選択の方が各家族の懐事情に関しては良い場合もあるでしょうからね。

時代の変化、時代の背景とともに定期借地権がどのように発展していくのか?

引き続きこの分野に深く携わって参りたいと考えています。

今回も最後までお読みいただきまして誠に有難うございました。

 

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